万分の一葉集

朗読台本集

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

目次

hideoriby314chang.hatenablog.com hideoriby314chang.hatenablog.com hideoriby314chang.hatenablog.com hideoriby314chang.hatenablog.com hideoriby314chang.hatenablog.com hideoriby314chang.hatenablog.com hideoriby314chang.hatenablog.com hideorib…

スフィンクス

スフィンクス 2014 1月11日 みなさんはスフィンクスをご存じですね。 ライオンの身体、美しい女性の顔、乳房、鷲の翼を持つ、神の使いまたは怪物、というものです。 近年ではこの名前の付いた毛のまったく生えていない猫も居ますが、これはまた別の話…

音楽会における緊張のほぐし方

音楽会における緊張のほぐし方 たなか秀郎 「緊張してはいけない」「緊張したくない」そういうときに限って人は緊張してしまう。 たとえば、上司や同僚が見守る中でのプレゼンテーション、結婚式の祝辞、地上六十メートルの上に張られた綱渡りの綱に第一歩を…

注文の少ない料理店

注文の少ない料理店 たなか秀郎二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊の形をしてぴかぴか光る鉄砲をかついで、だいぶ山奥の木の葉のかさかさしたとこを歩いておりました。 そのときふと、うしろを見ますと、一軒のみすぼらしいトタン波板バラック造りの…

可哀相な豚

可哀相な豚 田中秀郎 豚はとても頭の良い動物です。犬と同じくらい賢いのです。 豚のハチベエは飼い主の日暮里博士が大好きでした。家ではいつも博士の側に座ったり寝そべったりしていました。 博士は毎朝、大学へ出掛けます。するとハチベエは博士を見送り…

にゃごりんぐ創世記

ニャゴリング創世記 たにゃか秀郎 ニャンニャンはニャンゴロの母なり、ニャンニャンの子ニャンゴロ、ニャンゴロニャンを生み、ニャンゴロニャン、ニャンゴロニャンニャンとニャンゴロゴロを生み、ニャンゴロゴロ、ゴロゴロナーゴを生む。ニャンゴロゴロ、ゴ…

印度の虎刈り

印度の虎刈り 印度ジャマンギアーナでは、代々、王は「印度の虎」を名乗った。 尊大な王が自称したものか、家来や民が畏敬の念を籠めたものか、それは知れない。 七世を数えると、その王は「印度の虎刈り」と呼ばれた。 初めは、乳母が幼い王子を愛情籠めて…

印度の虎刈り 番外編

印度の虎狩り 番外編 イシャーラ国 あるとき、印度の虎刈り一族は、イシャーラ国に入った。イシャーラ国にも勇壮な軍団が居る。油断は出来ない。眉毛の濃い苦み走ったその軍団は、俗にイシャーラ軍団と呼ばれていた。虎刈り一族は少数の編成で来ていた。いつ…

魔女と野獣

魔女と野獣 王子は魔女に育てられた。 幼い頃から、母親も父親もなかった。兄弟も、居ない。魔女がひとり、居るばかりだった。 それでも。健やかに育って王子は十六歳になった。 「実に醜い子供だねぇ、お前は」 王子の顔を覗き込んで魔女はいつも溜息をつく…